今回は収録場所にもなっている東京オフィスのお話です。
■夢をかなえたければ「先走れ」!
―今回はどんなお話をしていただけるのでしょうか?
平成25年5月に医療法人ブレイングループの東京オフィスを開設しました。場所は品川にある某ホテルの敷地内。そのレジデンスの一室を借りています。昨年ある講演でご一緒した方からこの場所を聞き、東京オフィスを構えるのにぴったりだと考えていたのです。
東京オフィスは事務所スペースと宿泊用のベッドルームがあり、総面積60㎡程度の小さな部屋です。いずれはもっと広い部屋に移れるように、どんどん実績を積んでいきたいと思っています。ちなみにポッドキャストの収録もここで行っています。
―なぜ東京オフィスを開設しようと思ったのですか?
これまで私が仕事で東京を訪れるのは月に3、4回程度。費用を考えればホテルに宿泊するほうが割安です。しかしブレイングループのさらなる成長のために、東京での仕事をもっと増やしたいという希望がありました。そこで世界的に活躍している指揮者の佐渡裕(ゆたか)さんのエピソードにならって行動しようと思い立ったのです。
佐渡さんは小学生の頃、卒業文集に「ベルリン・フィルで指揮をしたい」という夢を書いていました。その後実際にベルリン・フィルの客演指揮をするようになるのですが、なんと彼はその話が決まる前からフィルハーモニーホールまで徒歩3分の距離にあるマンションを購入していたそうです。もしかすると全くの無駄になるかもしれないマンションですが、夢を実現するにはこれぐらいの行動力が必要なのでしょう。
というわけで私もブレイングループのさらなる発展のため、今回の東京オフィス開設に踏み切ったのです。
―東京オフィスができてよかったことはありますか?
まず移動の際に持ち歩く荷物が少なくてすみます。当然ながらホテルの予約は不要、夜遅くなっても新幹線の最終時間を心配することもありません。時間が空いたときにはDVDも鑑賞できます。東京オフィスの敷地内にはホテルが併設されているため、お金を払えば掃除・シーツ交換もしてくれます。
幸いなことに、このオフィスを開設して1カ月も経たないうちに東京での仕事のオファーがいくつも舞い込んできました。それと同時に地方から出てきている人間と東京に拠点を持っている人間とでは扱いが違うと痛感しています。多くの人々が東京にオフィスを構えたがる理由がわかったような気がしました。
■東京は「虚像」に満ち溢れた街!?
―自分の夢を実現するためには、思い切った行動が大事なのですね
今回の件で、資金的に余裕ある投資がさらに成功を呼び込むことを実感しました。とはいえ東京で仕事をしていると「リアル」の重要性を改めて感じます。言い方は悪いのですが、東京は「虚像」に満ち溢れているのではないかと感じることがあるからです。
東京には「人」と「情報」が怒涛のように流れ込んでくるため、いろいろなものが実態以上のスケールになっているようです。
例えば不動産価格。仮に80㎡のマンションがあったとすると、地方であればせいぜい2000万~3000万円が相場です。一方それが東京になったとたんに数倍の価格となり、誰もそれに疑問を持ちません。しかもその価格に基づいてすべてが動いているのですから、東京のスケールはむやみと膨れ上がるばかりです。
しかし考えてみてください。もし東京にまで放射能の影響が強く及ぶようなことになったら、ものごとの価値やスケールは一気に縮小するでしょう。そのときにすべてが「虚像」だったと気付いても遅いのではないでしょうか。
私が東京オフィスを購入ではなく借りることに決めたのは、できるだけ東京の「実像」に近付きたいという思いもあったからです。
―東京オフィスを開設したことで、改めて地元の大切さを感じたそうですが
「虚像」の東京で仕事をしていると、私はあくまで岐阜県土岐市で介護事業を行っているからこそ評価されているのだという思いを新たにしました。
また私が東京での仕事を自由に模索できるのも、地元で汗をかきながら仕事をしてくれるスタッフがいるからです。みなさんに改めて感謝します。これからは東京の仕事の成果を地元のスタッフに還元できるように頑張るつもりです。
そして何か夢を持っている人は、佐渡さんのように何か行動を起こしてみてください。きっとそこから新しい展開があることでしょう。恐れずに一歩踏み出すことが大事です。
余談ですが東京にオフィスを構えたという話をすると、何人もの経営者から「東京に愛人でも囲うのですか?」 と言われてしまいました(笑)みなさん、発想が貧困すぎます! (了)