ライフドクター長谷川嘉哉の転ばぬ先の知恵(旧:介護事業の知的創造コンサルティング)

ビジネス、勉強、マネープラン、介護、ライフワークバランス……
認知症専門医であり、経営者でもある長谷川嘉哉が人生を10倍豊かにする知恵をお届けします。

インタビュアー/ポッドキャストプロデューサー:早川洋平(キクタス) 制作協力/和金HAJIME

第10回「コンサルティングを受けて時間を節約しよう」

2013年8月20日 22:30

経営コンサルタントを利用する最大の目的は、時間を買うことです。


■自分の目的に応じてコンサルタントを選ぶ
―今回はどんなお話をしていただけるのでしょうか?

前回は会計士および税理士・社会保険労務士・弁護士を使いこなす方法をご説明しましたが、私はさらに経営コンサルタントも加えるべきだと考えます。

経営コンサルタントというと、あまりいいイメージを持っていない人は多いかもしれません。しかし私は現在、3人の経営コンサルタントと契約しています。また同時にブレイングループのコンサルティング事業も手掛けています。そこで今回はコンサルティングを受ける立場と提供する立場という二つの経験をもとにお話ししたいと思います。

―そもそも経営コンサルタントとはどのような職業なのでしょうか

辞書的に説明すると「顧客企業や経営者から依頼を受けて、経営上の問題を解決するための支援を行う」職業です。

実は経営コンサルタントを名乗るために特別な資格を取得する必要はありません。企業経営全般に関する診断・助言業務を行う「中小企業診断士」という資格もありますが、これを持たずにコンサルティングを行っても問題はないのです。

だからといって誰でもコンサルタントになれるわけではありません。自分の専門分野でしっかりと経験を積み、着実に実績を上げていなければ依頼者が現れることはないでしょう。一方依頼者は自分の目的をはっきりさせてからコンサルタントを選ぶ必要があります。

―長谷川先生はどんな目的を達成するためにコンサルタントと契約したのですか?

私の最大の目的は時間の節約です。コンサルタントを雇わず自分で試行錯誤して経営することもできますが、むやみと時間がかかってしまう恐れがあります。それよりは早々にプロを雇い、自分の時間を節約したほうが賢明です。

さて、さきほど私は3人の経営コンサルタントと契約していると言いましたが、それぞれの役割をご紹介したいと思います。

まず1人目は当グループのクレド作成を担当しています。もちろんこれまで私たちが培ってきた経営理念はあります。しかしそれを適切な言葉に変換するための会議や人材確保の手間を考えると、コンサルタントにお願いしたほうが効率的です。さらにそのクレドを現場に浸透させるためのアドバイスをもらい、きちんと実行しています。

2人目のコンサルタントは新規事業の立ち上げとマーケティングを担当しています。今回はデザインとキャッチコピーを含む総合的なコンサルティングをお願いし、大幅に時間と手間を省くことができました。コンサルタントが定期的に来てくれるとものごとがはかどるので大変助かります。

そして3人目は単なる雑談相手です。実はこのコンサルタントに依頼した目的は既に達成したので、それを機に契約を打ち切るつもりでした。しかしこの人と話をするといい刺激があるので、今でも2カ月に1度会うことにしています。経営者には時としてこのような時間も必要ではないでしょうか。

■コンサルタントに対して受け身になるな!
―コンサルタントを雇う際の注意点はありますか?

コンサルタントが何かをしてくれるのではなく、実行するのはあくまで経営者自身だということを忘れないでください。ときどき「コンサルタントが何もしてくれなかった」と文句を言う経営者がいますが、それはコンサルタントが悪いのではなく自分が受け身でいたせいです。

コンサルタントを使いこなす極意は、納得するまで話し合いを重ねてそこで出た結論や方法をきちんと実行に移すこと。これがすべてです。当グループも過去のコンサルタントたちのおかげで成長しましたが、それは私たちが能動的に行動した結果でもあるのです。

―コンサルタントに寄りかかるばかりではいけませんね

その通りです。ちなみに私が当初の目的を達成した時点でコンサルタントとの契約を打ち切るのは、グループの成長に伴ってコンサルタントのレベルも上げていく必要があると考えるからです。

ところでコンサルタントには面白い特徴があることをご存じですか? それは彼らの多くがいわゆる一匹狼で、人を雇用した経験が乏しいこと。意外にも自分のビジネスを組織化できていないのです。正直なところ、その点についてしばしば物足りなさを感じます。

では理想のコンサルタント像とはどんなものでしょうか? 私が思うに、多くの人を雇用したうえで着実に利益を上げている人物、もしくは組織がふさわしい気がします。

手前味噌になりますが、そこへいくと当グループのコンサルティング事業はこの理想像に近いと思います。私たちがリアルな経営を手がけているからこそ、依頼者の経営改善から組織化まで一貫してサポートできるのです。

ありがたいことに当グループのコンサルティング事業には依頼者が殺到しており、やむを得ずお断りするケースがあるほどです。しかしそんな状況でも当グループがコンサルティングを引き受けた方には、かなりの確率で成功できるとお約束します。少々言い過ぎでしょうか(笑)しかし私はそれだけ当グループのコンサルティング事業に自信を持っています。(了)