ライフドクター長谷川嘉哉の転ばぬ先の知恵(旧:介護事業の知的創造コンサルティング)

ビジネス、勉強、マネープラン、介護、ライフワークバランス……
認知症専門医であり、経営者でもある長谷川嘉哉が人生を10倍豊かにする知恵をお届けします。

インタビュアー/ポッドキャストプロデューサー:早川洋平(キクタス) 制作協力/和金HAJIME

第67回「オススメ!京都旅行」

2014年9月30日 22:30

今回も引き続き、長谷川親子で出かけた京都旅行のお話です。


■京都に近いのは名古屋人の特権!
―今回はどんなお話をしていただけるのでしょうか?

前回は親子での京都旅行について触れましたが、今回はさらに詳しく、「よくぞ一泊二日でここまで回った」という話をしたいと思います。

京都観光の大事なポイントは「タクシー選び」。京都はタクシーが多いため、運転手の質も幅広いのです。近距離利用者の乗車拒否、無愛想な態度、運転手の喫煙など"ひどいタクシー"にあたってしまうと旅行自体が台無しになってしまいます。

今回は真夏の連休であること、高齢者2人を抱えていることから、京都のM K タクシーさんに観光案内をお願いしました。MKタクシーさんは経営者の理念もしっかりしている上、教育も行き届いているので安心です。観光タクシーといえば、普通は客の大まかな要望に、運転手さんの提案を加えて行き先を決めるのですが、今回は姉の作ったプランが素晴らしかったのでそれに沿って移動しました。

午前中は、京都の北側、いわゆる「洛北」を中心に詩仙堂、圓光寺、曼殊院、圓通寺を観光。この時期に洛北を選択したことは大成功であったと思います。洛北は京都駅から車で25分ほどと離れているため、真夏の連休といっても観光客は少なめ。何より少し涼しい点が正解でした。

途中で鷺森神社に立ち寄ったのですが、運転手さんに「こんなところ行ったことがないですよ」と言われていました。しかし、実は境内には触れると良縁が授かる「八重垣の石」というパワースポットがあるのです。購入した黒石を「八重垣の石」の上に乗せ、両手で押さえ念じた後、お守りに入れて持ち帰るようになっています。姉も私も娘がいるので、縁結びを祈願してきました。運転手さんの新しいお勧めスポットにも加わったようです。

昼食は、京野菜を使ったフレンチをいただきました。給仕の女性の態度が少し悪かったのですが、その点も姉が調査済み。「彼女の態度は悪いけれど、料理は最高」という情報を事前に知っていたので、腹も立たずに楽しめました。

昼食後は実相院で、黒く磨かれた床に木々の緑が映り込む「床緑」と、「こころのお庭」を楽しみました。最後は、正伝寺の「獅子の児渡しの庭」。比叡山の借景が実に見事でした。借景といえば円通寺が有名ですが、個人的には正伝寺のほうが凄いなと感じました。

一日でこれだけの場所を堪能できたことに両親も感激していて、これもM K タクシーさんの細やかな配慮のお蔭だなと思っています。その時点で私の万歩計の歩数は6500歩。あまり歩いていなかったので、両親にも無理が出なかったようです。ただし、両親にとっては歩き足らなかったのか、夕食後に宿泊地の祇園畑中周辺を散歩し、結果的に1万歩を走破しました。両親の健康にも感謝です。

このように 平成26年の7月 20日から21日かけて、京都への親子旅行を企画し、祇園畑中に宿を予約した話をすると、多くの方から「祇園祭に行かれるのですか?」と聞かれました。実は、祇園祭のことは全く関心がなく、あれほど洛北巡りの完璧なプラン二ングをした姉も同様でした。集中するところは完璧ですが、関心が無いとすっぽり抜けてしまうのは、B型家系の特徴かもしれません。(自分、姉、父はB型、母親のみO 型です)。

宿泊地も親子の日程の合う日を選び、京都で有名な料理旅館を探したところ、たまたま祇園畑中が空いていたから予約をしただけなのです。行ってみたら八坂神社のほとんど隣で、祇園祭のど真ん中のような場所でした。でも、家族四人誰も祇園祭のことを知らなかったのですね。

―せっかくだから見に行かれたのでしょうか?

はい。行きました。宿に着いたら町並みが祇園祭一色ですから、姉と一緒に慌てて情報収集しました。世間では常識なのでしょうが、祇園祭について以下のことすら知りませんでした。

・祇園祭は八坂神社の神事であること。(京都の町自体のお祭りだと思っていました)
・今年49年ぶりに後祭が復活。17日と24日の2度に分けて山鉾巡行が実施されること。
・大船鉾が約150年ぶりに再建されたこと
・何気なく購入した「厄除ちまき」の由来
・祇園祭のお稚児さんという大役を果たすには、2000万円とも言われる費用がかかること。

とにかく何から何まで知らないことばかりでしたが、祇園祭の奥深さには感動しました。混雑を避けるために、後祭宵山初日の7月 21日の朝 6時に山鉾を見学したのですが、さすがに朝早いため今年の目玉「大船鉾」もじっくり見学できました。

そのほかの山鉾も見学し、朝の8時の時点ですでに万歩計は8000歩。さすがにいったん部屋に戻り、朝食をとった後はチェックアウトまで休憩にしました。朝5時起床、6時から一気に2時間歩き回るパワーは、長谷川家の親子旅行ならではの醍醐味だと思います。

普通はもうここで終わりそうですが、チェックアウト後にまだ観光を続けました。まずは東本願寺でお参りし、西本願寺の書院拝観へ。ですが、我が家の宗派は東本願寺ですから、西本願寺の境内に入ることになんとなく抵抗がありました。

しかし、姉に「今までどれだけ他宗派のお寺を見てきたと思っているの?」と言われて思い返してみると、圓光寺は臨済宗、曼殊院は天台宗、圓通寺は臨済宗妙心寺派、実相院は天台宗寺門派、正伝寺は臨済宗南禅寺派......。「今さらなぜ西本願寺に抵抗があるの?」と言われ、納得してしまいました。

西本願寺の書院拝観は完全予約制ですが、これはすごくお勧めです。京都駅からもとても近いですし、職員の楽しい解説を聞きながら高齢者にも無理のないペースでじっくりと拝観できます。約70分の間に書院玄関の虎の間、南能舞台、対面所及び白書院、日本最古の能舞台といわれる北能舞台、虎渓の庭を見学するのですが、とくに、本堂の奥から眺める能舞台は思わず声を上げてしまうほどの美しさでした。

途中休憩後、外に出て「飛雲閣」を拝観。「飛雲閣」は金閣寺と銀閣寺と合わせて、日本三名閣と言われています。「虎渓の庭」も洛中における江戸時代三大庭園の一つに数えられる素晴らしい庭園です。ちなみに西本願寺の唐門も二条城の唐門、豊国神社唐門と合わせて京都の三大唐門と言われています。

このように、西本願寺は京都の中でも貴重な歴史的遺産が満載です。今回観光した洛北や祇園祭も素晴らしいのですが、西本願寺の書院拝観は意外と知らない方も多いので、ぜひ足を運んでいただきたいです。ただし、定員の空き状況に関わらず当日の拝観は受け付けてもらえないようですから、事前予約をお忘れのないように。

最近、年齢によるものでしょうか? 京都に自宅を持ちたいと思うほど気に入っています。しかし、京都17時 5分の新幹線に乗って18時10分には名古屋の自宅に到着するほど近いのです。京都に近いことは、名古屋人の特権と思った今回の親子旅行でした。(了)