ライフドクター長谷川嘉哉の転ばぬ先の知恵(旧:介護事業の知的創造コンサルティング)

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認知症専門医であり、経営者でもある長谷川嘉哉が人生を10倍豊かにする知恵をお届けします。
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インタビュアー/ポッドキャストプロデューサー:早川洋平(キクタス) 制作協力/和金HAJIME

第66回「地方を訪ねる安気な親子旅行Part2」

2014年9月23日 22:30

地方を舞台にした映画のお話と、昨年より長谷川が行っている親子旅行についてお話しています。


■血のつながった親子ならではのペースで
―今回はどんなお話をしていただけるのでしょうか?

最近、地方都市を舞台にした映画がよく作られているようです。例えば私が開業している岐阜県土岐市は土岐川が流れ、東に遠く恵那山や屏風山をのぞみ、北部・南部・西部は緑の山々に囲まれた風光明媚な土地。盆地で夏は蒸し暑いという難点はありますが、約700年前に清和源氏の流れを汲む土岐源氏が基礎を築いた歴史的にも由緒正しい街です。

そこでご紹介するのが『49日のレシピ』という映画です。土岐市と隣の瑞浪市が舞台になっています。見慣れた街並みや店舗が次々と出てくるので親近感がわきました。街を流れる土岐川も雰囲気に溢れています。そして主人公百合子のお母さんが土岐川を眺めながら言うセリフがいいのです。

「百合ちゃん、迷ったら川に来るといいよ。答えが見つかるからね。川はいろんなものの、全部の境目なの。どっちにしようか、行こうか、戻ろうか、迷う気持ちを水に流して前に進ませてくれるのよ」

私も毎日土岐川の流れを見ているからでしょうか、このフレーズにはとても共感しました。実をいうとあまり期待せずに見た映画でしたが、主演の永作博美をはじめ父親役の石橋蓮司、さらには二階堂ふみ、原田泰造、淡路恵子ら俳優陣の演技が素晴らしくとても感動しました。土岐市に住んでいない方にもおすすめの作品です。

―長谷川先生は『武士の献立』もご覧になったそうですね

かつて加賀百万石と呼ばれた石川県の金沢が舞台です。この作品を簡単に説明すると、「江戸時代に包丁侍として料理の腕を振るった武家に嫁いだ主人公の紆余曲折を描く人間ドラマ」です。さすが加賀百万石だけあって豪華な食事がたびたびスクリーンに映し出されます。

映画の中で主人公たちが新しい食材を求めて奥能登に向かうシーンがあります。私はそれを見ながら中学3年生の卒業旅行で奥能登を訪ねたことを思い出しました。仲間4人とバスに揺られながら、曽々木海岸、軍艦島、白米の千枚田を巡ったのです。

夜は輪島のユースホステルに宿泊し、翌朝は露天のおばちゃんがむいてくれた甘海老を食べながら朝市見学です。今の中学生ならファーストフードをほおばるところでしょうが、それに比べるとあまりにも渋い選択です(笑)

こんな思い出があるせいか、映画の中の奥能登の風景をとても懐かしく感じました。とはいえ当時の奥能登は北朝鮮による拉致事件が起きたところでもあります。今思うとよく無事に帰ってこられたものです。

映画のDVDには加賀百万石の文化を紹介した特典映像がついています。豊富な海産物、和菓子、日本酒、輪島塗、九谷焼、加賀友禅......いずれも目を見張るばかりです。映画と特典映像を見ているうちにまた金沢を訪れたくなりました。

急に話が変わりますが、平成26年7月20日に家族4人で京都旅行に行ってきました。メンバーは父、母、姉、そして私。つまり血のつながった親子だけの旅行です。

私も姉も結婚していますから、それぞれの子どもや配偶者を含めた旅行には何度も行っています。しかし血のつながった親子だけの旅行は素晴らしい親孝行になるから、と知り合いにすすめられて昨年から始めたのです。

この旅行で私の性格の原点は親子関係にあると痛感しました。今回も7時30分に名古屋駅集合です。新幹線で京都駅に到着すると、前もってお願いしていたMKタクシーに観光案内をしてもらいました(京都はタクシーの当たり外れが大きいので私はいつもMKタクシーと決めています)。

洛北を中心に寺社仏閣を巡ったのですが、昼食をとるお店も含めて姉が完璧にセレクトしてくれました。その目の付けどころのよさにはタクシーの運転手さんも感心するほどです。

15時30分には八坂神社横の「祇園畑中」にチェックイン。もっとも早い時間の17時30分に夕食をとり、夜の祇園を散歩して22時には就寝です。

翌朝は全員5時に起床。長谷川家には誰かに起こしてもらうという習慣はありません。そして6時から祇園祭の後祭りの山鉾を見学です。8時には宿に戻りましたがこれだけで8000歩も歩きました。父は79歳、母は76歳です。その脚力には私も驚いてしまいます。しばらく宿で休憩し、11時に再び出発。東本願寺のお参りと西本願寺の書院拝観を楽しみ、18時には名古屋の自宅に到着しました。

このような旅のスケジュールを親子4人が淡々とこなしていく姿はまるで軍隊です。もし第三者がこの4人のペースに入ったら、心身ともに疲れ果ててしまうでしょう。ところが血のつながった親子4人の安気(=気楽)な関係では、かえって心地良いのです。ちなみに父は昭和10年生まれですが、少しも母に依存していません。そんなところにも感心しました。

この旅行を実行するには両親の健康、子どもたちの成長、配偶者の理解などが必要条件です。だからこそ今後も恒例行事として続けていこうと思います。みなさんにも「安気な親子旅行」をおすすめします。(了)