ライフドクター長谷川嘉哉の転ばぬ先の知恵(旧:介護事業の知的創造コンサルティング)

ビジネス、勉強、マネープラン、介護、ライフワークバランス……
認知症専門医であり、経営者でもある長谷川嘉哉が人生を10倍豊かにする知恵をお届けします。
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インタビュアー/ポッドキャストプロデューサー:早川洋平(キクタス) 制作協力/和金HAJIME

第61回「素敵に歳を重ねた同級生達」

2014年8月19日 22:30

地味ながらも日々医療に携わっている大学の同級生達と、ある塾の後輩達についてお話しています。


■禁煙は当たり前! お酒の飲み方もスマートです
―今回はどんなお話をしていただけるのでしょうか?

6月某日、名古屋の老舗料亭「河文」にて私の大学の同級生である近藤豊先生の教授就任祝いをしました。就任祝いといっても同級生だけの集まりで、ほとんどクラス会のようなものです。懐かしい仲間たちと再会できて大変うれしかったです。近藤先生はあいさつの中で自分が打ち込むことになる研究との出合いや臨床と研究の葛藤などについてお話しになり、とても感動しました。

同級生たちを観察すると、いろいろな気づきがありました。こういう場ではよく「昔と変わらないね~!」などと言い合うものですが、本当に変わっていないのです。みんなきちんと自己管理をして体型を維持していますし、たばこを吸う人もいません(そもそも灰皿が用意されていませんでした)。お酒はフリードリンクでしたが酔っぱらう人はおらず、あくまでスマートな飲み方です。

そのうえ全員が開始時間ぴったりに集合し、会費3万円をさらりと払っていく姿には感動すら覚えました。これまでの月日にはいろいろあったでしょうが、それぞれが素敵に年を重ねているようでした。

ところで私たちが大学に入学した頃には「これからは医師過剰時代になる。君たちは将来、医師免許を持ってタクシードライバーをやることになるかもしれないぞ」と言われたものです。

その根拠は、1973年に第2次田中角栄内閣で閣議決定された「経済社会基本計画」に盛り込まれた一県一医大構想で、当時医学部のなかった15県に医科大学(医学部)が設置されたことです。その結果、医師の数が増えて「医師過剰時代」が来るとの判断から、1997年に国立大学医学部の定員が10%削減されました。

しかし私たちが大学を卒業して24年経った今、この国は非常な医師不足に陥っています。慌てた厚生労働省は医学部の定員を増やしていますが、現在の医学部生の将来はどうなるのでしょうか? 例えば30年後の2044年は、日本の総人口は1億人を割り込むと予想されています。いくら高齢化といっても人口そのものが減少すれば医師の活躍の場は減ります。その頃は医師でも働き口に困るかもしれません。

この点について、私が尊敬する堺屋太一さんは「官僚は間違える」と指摘しています。つまり彼ら(官僚)が「医師過剰になる」と思ったときは足りなくなり、「医師が足りなくなる」と思ったときは余るというわけです。

しかしだからこそ、これから医師を目指す人には「単なる仕事」としてではなく、「自分の生き方」として医師を選んでもらいたいと思います。そうすれば少々待遇が悪くなっても気にならないのではないでしょうか。

―就任祝いの数日後には西田塾のOB会に出席されたとか

私は飲み会にはほとんど出席しないのですが、西田塾のOB会は例外で2次会まで参加します。西田塾の塾生は病的なほど前向きです(笑)しかも頭で理解したことはすぐ行動に移します。

以前の西田塾は「一定以上の成功を収めている人」の集まりでした。しかし西田先生も還暦を過ぎてから入塾のハードルを下げています。そのせいか最近の参加者は「すでに成功している人」から「成功を目指す人」に変わってきているようです。

実際、両者の違いは明らかです。「成功を目指す人」は自分のモチベーションが上がる講演を聞いたり、本を読んだりすることが大好き。いわば「自己啓発大好き人間」です。しかし何度話を聞いても行動に移せないので成功することはありません。

もう一つ西田塾で気に入らない点があります。それは塾生の喫煙率が高いこと。きれいに着飾っている女性が隣にいるのに、平気でたばこの煙を吹きかける人が果たして成功できるでしょうか。私も帰宅したときに家族から「たばこ臭い!」と嫌がられてしまいました。においのついた背広は陰干ししなければならず、私も髪や体についたにおいを消すためお風呂に直行です。

厳しい言い方になりますが、たばこを吸う人間は一時成功することはあっても、そのうち心筋梗塞や肺がんで倒れてしまうと思います。これはひとえに自分に対する想像力・責任感の欠如です。日々地道に医療に携わっている大学の同級生と、「成功、成功」と言いつつ何も実行に移せない西田塾の後輩たちとのレベルの差を感じました。本当に成功したいなら、「声なき声」にも耳を傾ける感性を身に着けるべきではないでしょうか。(了)