ライフドクター長谷川嘉哉の転ばぬ先の知恵(旧:介護事業の知的創造コンサルティング)

ビジネス、勉強、マネープラン、介護、ライフワークバランス……
認知症専門医であり、経営者でもある長谷川嘉哉が人生を10倍豊かにする知恵をお届けします。
番組のご感想・長谷川嘉哉へのご質問はこちらから
http://brain-gr.com/podcast/

インタビュアー/ポッドキャストプロデューサー:早川洋平(キクタス) 制作協力/和金HAJIME

第57回「食事の重要性」

2014年7月22日 22:30

「楽しむ」「長生きする」「髪の毛がふさふさになる!?」...食事の重要性についてお話しています。


■「食いしん坊」は長生きの秘訣!
―今回はどんなお話をしていただけるのでしょうか?

「食事の重要性」についてお話ししたいと思います。その前に、私が思わず感動したケーキを紹介させてください。

私はゴールデンウイークの最終日に紀尾井町のホテルニューオータニを訪れ、1階のパティスリーSATSUKIで15時の休憩を取りました。以前雑誌で見かけた「スーパーメロンショートケーキ」を食べるためです。あまりケーキを食べない私が言っても説得力がないかもしれませんが、これまでの人生で食べたケーキの中で一番おいしかったです。

このケーキの説明書きを以下に引用します。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
最上級のマスクメロンの産地は静岡県の南伊豆町。全国一のマスクメロンの生産量を誇る静岡県にあって、マスクメロンを育てるために栽培者自らが掘った温泉を熱源として品質管理を行い、糖度14度以上を誇ります。

スポンジの材料である卵は、長崎県でカステラ用に使われている鶏卵を。そしてクリームは九州大牟田の低温殺菌48%クリームでリッチな風合いを育みます。もちろん砂糖にもこだわり、和三盆ときび砂糖をブレンドします。こだわりぬいたシェフパティシエ中島眞介渾身の作品。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

一切れ1500円という値段には驚きましたが、素材と味を考えれば納得です。一緒に食べたパンケーキもおいしかったです。私が普段食べているものは「ホットケーキ」であって「パンケーキ」とはまったくの別物であることに気付かされました。世の女性はこんなにおいしいものを食べているのかとうらやましくなりました(笑)


さて、本題に戻りましょう。私の外来に訪れる患者さんたちを見ていると、90歳以上の方が増えたと実感します。ある統計によると平成26年で90歳以上の方は174万2000人にのぼり、全人口の1.4%を占めています。20年前の平成7年は44万3000人ですから約4倍です。

私が医師になったのは24年前ですが、やはり90歳以上の患者さんは珍しかったです。ちなみに90歳以上の男女比は概算で1:4。90歳を超えた方の8割近くは女性ということになります。これも私の実体験から納得できる数字です。

―「元気な高齢者はよく食べる」という特徴があるそうですね

その通りです。元気な90歳以上の方は、たとえ体が小さくてもよく食べます。「介護者より食べる」と言われる方もいるほどです。毎年夏場になると高齢者の脱水症状がニュースになりますが、90歳越えの方は暑さにも負けません。医療従事者や介護者がダウンしてしまうような暑さでもケロッとしています。

このような方は体調を崩しても食事量が落ちません。実はこれが大事なのです。通常、高齢者が発熱や下痢などによって食事量が落ちると、ほとんどの場合入院することになります。当然ながら入院中は安静にしなければなりません。しかしその結果体力が急激に低下して寿命が短くなってしまうのです。

一方、食事量が落ちない方は通院での治療が可能です。もちろん回復も早くなります。こうした積み重ねが90歳以上の長生きにつながっているのでしょう。

もう一つ食事の重要性を示唆させるトピックがあります。題して「ノーベル賞級の秘密!? 髪の毛が黒々ふさふさ......ラコールの奇跡」です。

患者さんの食事量が減ってきたり胃ろうから栄養を入れたりする場合、経腸溶液を薬剤として処方します。これらの代表的な製品が大塚製薬の「ラコール」です。

従来の海外製品と比べると、日本人向けに10%ほど脂質を減らして下痢を起こしにくくしています。ラコールには3大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)のほかに、ビタミン、微量元素がバランスよく含まれています。

昔は食事量が減った人にはおかゆを食べさせましたが、おかゆには炭水化物しか含まれていません。したがって患者さんは低タンパク血症となり、徐々に尿量が落ちて寿命を迎えたものでした。当時はこれが「自然の流れ」だったのです。

ところがラコールにはタンパク質として必須アミノ酸も完全に網羅されているので、低タンパク血症にはなりません。ビタミンや微量元素の働きで肌もつやつやしてきます。患者さんによってはラコールを優先的に摂取するよう指導することもあります。

食べ物を飲み込む力が落ちている場合はラコールとゼラチンでプリンを作り、さらに短冊状にしてうどんのように流し込むことも可能です。そして数か月経つと、なんと髪の毛が黒々として量も増えてくるのです。これは医療従事者の現場ではよく知られていることです。

ラコールは健康な人が摂取しても問題ありませんが、かなり甘い味付けなので飲みにくいと感じるかもしれません。「我こそは!」という方は実費で購入して食事の代わりに飲んでみてはいかがでしょうか? 

おいしい食べ物は人生の楽しみの一つです。そして栄養バランスのとれた食事は長生きの秘訣であり、髪もふさふさにしてくれます。ぜひみなさんも日頃から食事の重要性を意識して生活していただきたいと思います。(了)