ライフドクター長谷川嘉哉の転ばぬ先の知恵(旧:介護事業の知的創造コンサルティング)

ビジネス、勉強、マネープラン、介護、ライフワークバランス……
認知症専門医であり、経営者でもある長谷川嘉哉が人生を10倍豊かにする知恵をお届けします。

インタビュアー/ポッドキャストプロデューサー:早川洋平(キクタス) 制作協力/和金HAJIME

第47回「『数字が苦手』という前にFP3級を受けてみよう」

2014年5月13日 22:30

FPは勉強するのには優れものです。


■FP3級を取得して、お金の賢者になりましょう
―今回はどんなお話をしていただけるのでしょうか?

みなさんもファイナンシャルプランナー(以下FP)という資格について聞いたことがあると思います。FPは家計にかかわる金融、税金、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識を備え、夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家と言われています。

とはいえFP自身は大した資産も持たず、投資経験もない人が多いようです。そのためお金持ちの気持ちは理解できないのです。前回もお話ししましたが金融機関の片棒を担いでいるとも知らずNISAのアドバイスをするようなFPとは付き合わないほうが得策です。

そんなFPですが、自分の勉強の道具として考えるとかなり役立ちます。かくいう私もFP3級の資格を持っています。会計士はFP1級に相当するCFPや2級に相当するAFPを持っていますが、普段の生活では3級で十分です。私の知人の会計士さんも「実生活に役立つ資格は断然FPです」とおっしゃっていました。

【FPの試験科目】
①ライフプランニングと資金計画:社会保険、年金制度など
②リスク管理:生命保険や損害保険
③金融資産運用:預貯金、債券、株式、外貨建て商品、保険商品など
④タックスプランニング:所得税、各種控除、住民税など
⑤不動産:不動産取引、賃貸、有効利用など
⑥相続・事業承継:贈与、相続など

3級ではこれら6項目を広く浅く学びます。FPとして仕事ができるわけではありませんが、普段の生活でお金にまつわる疑問がわいたときに「そういえばあのとき勉強したな」と情報を引き出す力がつきます。その後より詳しく調べるときも理解しやすくなるでしょう。

ちなみに私の妻と大学生の長女も取得しています。職場では同僚の先生、事務スタッフ2名が合格しました。少し勉強すれば比較的容易に取れる資格です。世の中には「数字が苦手で......」と言う人が多いようですが、そんな言葉を発する前にFP3級を受験することをお勧めします。

―FP3級を取得するには、どんな勉強をすればいいのでしょうか

参考書はどの出版社のものでもかまいません。ただし参考書・問題集・一問一答の3冊を購入し、いずれも出版社を統一してください。最近の参考書や問題集はそれぞれの参照ページが記載されているので、出版社を統一したほうが便利です。

勉強するときは問題集から始めることです。参考書から入ると途中で挫折するおそれがあります。もちろん最初は何もわかりません。それでも問題を解き、わからなかったところは参考書にチェックを入れます。そしてひと通り問題集を解いた後、参考書をまとめて読みます。すると知識が身に着くばかりか試験の出題傾向も見えてきます。

そのうち参考書のなかには過去数年の間出題されていない部分があることもわかってきます。これは裏を返すと「近い将来出題される可能性が高い部分」。試験の要領をつかんでいる人はここにヤマを張っておきます。これができるかどうかで試験の結果が変わってくるでしょう。

一問一答で知識を定着させたら、4冊目として実技問題の問題集を購入してください。FPの試験には学科と実技があります。実技といっても出題形式が文章になっているぐらいです。学科の知識があれば解けますが、専用の問題集で実技の出題形式に慣れておくと有利です。学科が80%取れていても実技が60%以下で不合格になる人が多いようなので注意してください。

―試験に合格してFP技能士センターに登録すると、『KINZAI ファイナンシャルプラン』という雑誌が毎月届くそうですね

毎号旬の話題が特集され、目からうろこの情報が満載です。巻末のFPドリルを解けば復習になりますし、さらにインターネットで解答すれば資格更新のためのポイントも確保できます。私も医療以外の分野で頭を使うことは新鮮で、毎月の楽しみになっています。

さてその雑誌の3月号に「内縁関係」について面白い記事がありました。一部を抜粋してご紹介しましょう。

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・所得税法では内縁を認めていないが、厚生年金保険や健康保険の社会制度では実際の生活実態に則して保障を実施するため「婚姻の届出をしていないが、事実上の婚姻関係と同様の事情のあるもの」を配偶者に含む

・内縁関係を証明したい場合は、住民票上の世帯を同一にし、「夫(未届)」または「妻(未届)」として世帯主との続柄を記載する方法がある
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なぜ私が「内縁」に注目したかというと、これからは配偶者を亡くした高齢者同士が内縁関係として一緒に暮らすケースが増えると予想されるからです。

かつて私は認知症の専門医として、内縁関係の女性に財産を残したいという男性の遺言作成能力の診断を依頼されたことがあります。そのときは残念ながら「作成能力はない」と判断せざる得ない結果でした。しかし上記の情報を知っていれば相手に財産は残せないとしても同居期間に応じた遺族年金ぐらいは残せたでしょう。

やはりこの国は「知っている者だけが得をする」のだと思いました。ちなみにこれは『思わず人に話したくなるコラム』からの情報です。まさにタイトル通りで、私もこうしてみなさんにお話ししているというわけです(笑)FP3級を取得すると新たな知識が吸収できます。ぜひチャレンジしてみてください。(了)