ライフドクター長谷川嘉哉の転ばぬ先の知恵(旧:介護事業の知的創造コンサルティング)

ビジネス、勉強、マネープラン、介護、ライフワークバランス……
認知症専門医であり、経営者でもある長谷川嘉哉が人生を10倍豊かにする知恵をお届けします。
番組のご感想・長谷川嘉哉へのご質問はこちらから
http://brain-gr.com/podcast/

インタビュアー/ポッドキャストプロデューサー:早川洋平(キクタス) 制作協力/和金HAJIME

第43回「本の紹介:加谷珪一著『お金持ちの教科書』」

2014年4月15日 22:30

お金に関心の無い方にはオススメしない本です。


■意外と知らない「お金持ちの実像」
―今回はどんなお話をしていただけるのでしょうか?

加谷珪一(かや・けいいち)さんの著書『お金持ちの教科書』(阪急コミュニケーションズ)をご紹介します。

題名を聞いただけで毛嫌いする人がいそうですが(笑)個人的にはとても感銘を受けました。最近読んだ本のなかではベストです。まさに私が日頃考えていたことをズバリと言い当ててくれた一冊でした。

まずは有益な情報としての部分をご紹介しましょう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
矛盾した話だが、お金持ちになるためにはお金に対して淡泊になる必要がある。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「お金持ち」の定義を知ろう。お金持ちには3種類ある。
①資産家 
②高給取り
③有名人
これを知ったうえで自分が何を目指すのかはっきりさせておくこと。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「本当のお金持ちは質素」と言われているが、それは嘘である。使えるお金があればある程度のお金は使うもの。しかし三代資産を相続することが大変なこの国では、「元お金持ち」は質素な生活しかできない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
年収1000万円はお金持ちではない。特に専業主婦家庭は年収400万円共働き家庭に逆転される。高級マンション、高い教育費、ぜいたく消費に突然のリストラで一気に破産してしまう。本当ならば彼らは倹約が一番。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
税理士やファイナンシャルプランナーはお金の専門家といっても、内情はただの庶民。自分自身で大金を持った経験はない。お金持ちの気持ちがわからない。だから彼らにお金の相談をしても意味がない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
お金持ちになりたければ、都心に住め! 事務的な連絡はネットで済むが、密な人間関係は都心に存在する。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

これだけでもかなり勉強になる話が満載ですが、この本のすごいところは数々の教訓がちりばめられているところです。

「お金持ちには友達はいない」という章があります。ここでは作家の室井佑月(むろい・ゆづき)さんの言葉として「だいたいさあ。いい大人でそれなりの立場で仕事をしていて、お金も持っているような人が友達、友達なんて言うかよ!?」が紹介されていました。

この言葉には私も納得です。たくさんお金を稼ぐようになると、おのずと付き合う人たちが違ってくるからです。

さらに「共感からは何も生まれない」という章の文章が冴えていたのでご紹介します。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
最悪なのは、同じレベルのもの同士で慰めあうパターン。互いの愚痴を言い合う行為には「自分たちは頑張っているよね!」と共感し合いたい、という心理が背景にある。

確かに「共感」は人間にとって心地よいものであり、ストレスの解消になるかもしれない。だが、「共感」から新しい考えが生まれてきたり、チャレンジ精神が湧いてきたりするようなことはほとんどないのが現実。

自分よりもレベルが高い人、自分にはないものを持っている人を友達にするとなると、該当者はかなり少なくなるはずだ。お金持ちになる人は、このような結果として付き合う友達の数が減ってくることになる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

ちょうどこの部分を読んだとき、友人がフェイスブックに「夫婦げんかで奥さんを罵倒してしまった......」と投稿していました。私はそんなことを平気で書き込む彼の神経を疑い、「奥さんを罵倒? 最低ですね!」とコメントしました。いかなる理由があろうと自分の奥さんを罵倒する人間に社会的・人間的成功はあり得ないと思います。

ところが他の友達からは何やら同情めいたコメントが寄せられているから驚きです。まさにレベルの低いもの同士の共感ではありませんか。なんとなく彼らの境遇や未来も想像できるような気がしました。

「共感からは何も生まれない」という言葉は、自分よりレベルが高く己に厳しい人間との付き合いが大事であることを示唆しているようです。周囲の人間は自分を反映しているのです。

ところで私は銀行員の家系に育ち、お金に興味があるのでどうしてもその話が多くなってしまいます。親しい人にはもちろん、初対面の人に対しても同様です。とはいえ内心では「お金の話ばかりすることは品がないのかな?」と思っていました。するとこの本の中に「お金持ちはいつもお金の話をする」という章があったのです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
お金の話をして、嫌な顔をする人はお金を持っていない。だからいつもお金の話をすることでお金に縁がない人を排除して、お金に関係のある人だけを選別することができる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

これには勇気づけられました。そもそもお金は「お金が好きな人」に寄ってくるもの。嫌っている人のもとにはやってきません。これからも大いにお金の話をしようと思いました。

さらに会社から独立したAさんとBさんの話が紹介されていました。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
Aさんは偶然有力なパートナーを見つけて成功した。かたやBさんは頑張っているが苦戦している。そのときBさんに同情した人の最大の問題は「頑張ったご褒美を期待する『使われる人』の発想」であって、お金持ちにはなれない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

もちろん私はBさんに同情などしませんでしたが......。この感覚は経営者になるとよくわかります。「これだけ頑張ったから評価してよ」という人がいますが、売り上げが伸びるなどの結果が伴わなければ意味がないことを理解してほしいものです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
お金持ちは他人にお世話になったら「感謝」ではなく「お礼」をする。軽々しく感謝・感謝と口にする人は、基本的に「人に何かをしてあげよう」という意識は薄い。

それに比べお礼をするという行為は、自分に対しても他人に対しても厳しくなければ実現はできないものである。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

私もよくブログで「感謝」と書くので気を付けなければと思いました(笑)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
お金持ちは「お金で幸せを買うことはできないが、お金で不幸を軽減することはできる」と考えている。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

これも的を射た、実に奥深い言葉だと思います。

いかがでしたでしょうか? 本書はお金に関心のない方にはおすすめしませんが、そういう人はこれからの乱世を生き残れないかもしれません。(了)