ライフドクター長谷川嘉哉の転ばぬ先の知恵(旧:介護事業の知的創造コンサルティング)

ビジネス、勉強、マネープラン、介護、ライフワークバランス……
認知症専門医であり、経営者でもある長谷川嘉哉が人生を10倍豊かにする知恵をお届けします。

インタビュアー/ポッドキャストプロデューサー:早川洋平(キクタス) 制作協力/和金HAJIME

第29回「巡礼の旅&竹田城」

2014年1月 7日 22:30

2014年最初の配信は旅のお話です。


■眠気も吹き飛ぶ竹田城でのご来迎
―今回はどんなお話をしていただけるのでしょうか?

極めて個人的な話になりますが、昨年(2013)11月に車を使って夫婦で巡礼の旅と竹田城に行ってきました。2013年は伊勢神宮と出雲大社の式年遷宮が同時に行われました。出雲大社の式年遷宮は60年前後に一度ですから、次の式年遷宮のとき私はこの世にいません。そのため11月22日から24日にかけて伊勢神宮に行き、それから京都の北野天満宮に寄って出雲大社に出かけました。今回は私の珍道中(?)にお付き合いください。

―どんなスケジュールだったのですか?

混雑が心配でしたから早朝4時に起床して、朝の6時に伊勢神宮に到着しました。この時間は人も少なくゆっくり参拝できました。もちろんおかげ横丁の店も閉まっていますが、向かいの赤福は開店しています。そこで朝食代わりに赤福餅を三つ堪能しました。作りたてはとてもおいしくペロッと食べてしまいました。

その後、新名神を通って京都の北野天満宮に行きました。次女の合格祈願のためです。こちらも受験の本番直前のためか比較的すいています。ゆっくり時間をかけて祈祷してもらいましたが、あとは本人の努力次第です。祈祷後は北野天満宮の前で300年以上続く粟餅所・澤屋(あわもちどころ・さわや)で粟餅を堪能しました。この粟餅も作りたてで本当に美味しかったです。

出雲大社には11月24日の朝6時にお参りしました。この日も相当な人出になる予想でしたが、早朝は人もまばらです。そして私たちが泊まった宿の方に教えてもらった通り、途中にある稲佐の浜で砂を集めて出雲大社に奉納しました。それと交換して清められた砂を持って帰ります。

出雲大社の西側にある稲佐の浜は、古事記に「伊那佐の小濱」として登場します。稲佐の浜は神話の舞台でもあります。旧暦10月、いわゆる神在月(かみありづき)には八百万の神々がこの浜に上陸して出雲大社に向かうそうです。出雲大社を知るうえでも重要な場所ですので、ぜひ稲佐の浜も一緒に訪ねてほしいと思います。

人間の生活とは比べ物にならない神社仏閣のスケール感に圧倒されるとともに、美味しいものも堪能できました。さて、ご存じの通り出雲大社は縁結びの神様として知られています。実を言うと、私は友人から出雲大社のお守りをもらってから間もなくして妻と出会っています。今回の旅はそのお礼という意味もありました。

―合わせて竹田城を訪ねたのはなぜですか?

ミーハーですが高倉健主演の映画『あなたへ』を見て以来、どうしても行きたくなりました。映画では53歳で亡くなった最愛の妻との回想シーンで竹田城が出てきます。そこで伊勢神宮から出雲大社に行く途中に訪ねることにしました。

竹田城は10年前までは「無名の山城」でした。ところが近年になって雲海の写真や映像が紹介され、先述の映画の舞台にもなったことから人気が沸騰したのです。実際に竹田城跡の来訪者数を見ると、

平成17年度......1万2千人
18年度......2万人
19年度......同上
20年度......2万3千人
21年度......3万5千人
22年度......5万2千人
23年度......9万8602人
24年度......23万7638人
25年度の4~9月......22万1千人

と飛躍的に伸びています(朝来市調べ)。今年のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』のロケも行われ、さらに人気が加熱しそうです。

竹田城跡は日本100名城に選ばれており、雲海に包まれたその姿は「天空の城」「日本のマチュピチュ」とも呼ばれています。私は11月23日の早朝6時に竹田城に上って日の出を見たのですが、この時間でもすごい人の数でした。とはいえ徐々に朝霧が発生し、その景色はまさに荘厳です。寒さも眠気も吹き飛んでしまうほど素晴らしいものでした。地元の人によると、この2週間ほど雨ばかりで朝霧は見えていなかったそうです。嵐を呼ぶ男の異名を持つ私にしては、とても恵まれた天気でした。

ちなみにここでの宿泊は「旧木村酒造場 EN」でした。城下町にある400年の歴史を持つ旧木村酒造をリノベーションした宿です。1日4組限定で食事がとても素晴らしく、部屋にはテレビがありません。おかげでゆっくり過ごすことができました。竹田城はもちろんこの宿もお勧めです。(了)