ライフドクター長谷川嘉哉の転ばぬ先の知恵(旧:介護事業の知的創造コンサルティング)

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認知症専門医であり、経営者でもある長谷川嘉哉が人生を10倍豊かにする知恵をお届けします。
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インタビュアー/ポッドキャストプロデューサー:早川洋平(キクタス) 制作協力/和金HAJIME

第126回「複利は運用の味方であり、借金の敵である!」

2013年5月14日 22:30

複利の力は運用するか、借りるかによって両刃の剣となります。


■よくも悪くも複利は「雪だるま式」
―今回はどんなお話をしていただけるのでしょうか?

複利についてみなさんにお話ししたいと思います。まずは以下の用語の意味を知っておいてください。

・単利......元本だけに利子が付く計算方法
・複利......元本と前に付いた利子を合せた金額に対して利子が付く計算方法

例えば1万円の貯金に利息が100円付いたとします。その次の年、1万100円に対して利息が付くのが複利です。つまり出た利益をそのまま再投資したとして計算するのです。初めは単利とあまり変わりませんが、年数が経つにつれ差が大きくなってきます。

私は小学校1年生の頃から、お年玉が貯まると銀行員の父に頼んで定期預金にしてもらっていました。しかしどうしてお金に利息が付くのかとても不思議でした。

そこで父に尋ねると、「銀行は預金者に利息を払ってお金を集め、そのお金を必要な人にそれ以上の金利で貸し出す。そこで出た差額を利益にする」と教えてくれました。

もちろん当時の私にはよくわかりませんでした。しかしその頃習っていたそろばんの選択科目に「応用計算」があり、単利・複利・利息・元利合計を求める問題を解いていくうちに理解したのです。

小学校3年生のときは、1.072を10乗すると2になることを発見して感動したものです。なぜ1.072かというと、当時(昭和40年代)の銀行金利が7パーセント前後。複利で定期預金を10年預けると2倍になったからです。

今では考えられませんが、定期預金をすると10年で1.5~2倍になるのが当たり前の時代があったのでした。その後、この考え方は「72の法則」であることを知りました。

―「72の法則」とは何ですか?

複利効果によって資金を元本の2倍にするためにかかる期間を計算する方程式です。イタリアの数学者で会計の父とも呼ばれるルカ・パチョーリが、1494年に『スムマ』という数学書で述べたとされています。

具体的には72を金利で割ることによって、元本を2倍にするために必要な期間を計算することができます。仮に金利が7.2パーセントとすると、元本は10年で倍になります。

最近黒田日銀総裁が「2パーセントのインフレ目標」と発言しています。デフレに慣れきってしまった今は凄い数字のように思えますが、2パーセントの金利に置き換えて考えると元本が2倍になるまで36年かかります。昭和40年代は金利7パーセントが普通だったことを考えると、実際にはそれほど驚く数字ではないとわかります。

またこのような知識があると、前回お話しした奨学金(金利の上限3パーセント)はかなり高利だと理解できるはずです。

ちなみに私が学生時代に読んだ、日本マクドナルドおよび日本トイザらスの創業者である藤田田(ふじた でん)さんの著書に積立預金の話が出ていました。

それによると藤田さんは社会人になって最初の10年は毎月5万円、次の10年は毎月10万円、さらに次の10年は毎月15万円と積立預金を30年間続けたそうです。その結果いくらになったと思いますか? 投資額は3600万円ですが、最後はなんと1億円になったそうです。

―当時の金利の高さがよくわかるエピソードですね

とはいえ藤田さんは「最終的な額より、銀行から信用を得たことが第一であった」と述べています。

そこで私も開業以来14年間、三つの銀行に毎月積立預金しています。現在の金利ではそれほどの額にはなりませんが、財産形成や種銭を作るには効果的だと思います。

複利の力を知っていれば有効に資産を増やすことができますが、知らないと安易な借金をして経済的破綻に向かう恐れがあります。複利は運用するときは味方、借りるときは敵となる両刃の剣と言えるでしょう。

少し話題がそれますが大手銀行の中には積立預金を非効率的だと考え始めているところもあるようです。その点では地域密着型の信用金庫や農協などのほうがいいかもしれません。

■お金の使い方には三つの分類がある
―今回もお金の知識や教育の必要性を痛感させられました

お金の教育はとても大事です。お金の教育を受けていれば3パーセントの金利でお金を借りることのリスクはもちろん、「数年預ければ倍になりますよ」などという話はあり得ないことが理解できるはずです。

ただしある程度お金の知識がある人でも、「年間5パーセントで運用できる」などと言われるとグラッと来るので気を付けなければいけません(笑)

そもそも資本主義社会は企業がたくさんのお金を稼ぐために、みなさんにできるだけ多くのものを消費させようと努力しています。そのためどんどんお金を使いたくなってしまうのです。だからこそお金の使い方には以下の三つがあることを忘れずにおきましょう。

①投資......買ったものが、払った額以上の価値
②消費......買ったものが、払った額と同じ価値
③浪費......買ったものが、払った額以下の価値

私も投資には100万円でも惜しみませんが、浪費・消費は100円でも出したくありません。例えば「参加費150万円のセミナー」と聞いたらどう思いますか? おそらく高いと思う人がほとんどでしょうが、もしそれ以上のものが返ってくると確信できるなら私は投資すべきだと思います。

計画的にお金を稼ぎ、貯金して種銭を作り、有効に投資していく。そうすればお金の可能性を最大限に生かすことができ、同時に自分が社会に貢献した結果も得られるのではないでしょうか。(了)