家系図の作成とともに、元気な行政書士さんから学ばれることをお勧めします。
■先祖のおかげで生かされている「私」
―今回はどんなお話をしていただけるのでしょうか?
「家系図を作りました......元気な行政書士さん」がテーマです。実は先日、インターネットで見つけた「家系図作成本舗」に依頼していた家系図が届きました。
そもそも私たちには父方・母方と4系統の先祖がいます。よって家系図を作るときは四つの苗字を調べることになります。
私も家系図を作るまで知らなかった先祖がいましたし、親戚一同の名前がずらりと並ぶと感慨もひとしおです。断片的だった両親の記憶を家系図と照合してみると、ぴったり一致したこともたびたびありました。
―家系図を作成して一番印象に残ったことを教えてください
戦前までは厳格な家督制度があったことです。今は家督について考えることもなくなりましたが、当時の戸籍には家督を相続したこと、隠居したことなどがきちんと記載されていました。
私の4系統のうち長谷川の家系は、およそ200年前の長谷川彦八(文政7年7月12日生まれ)までさかのぼることができました。
また生年月日は不明ですが、彦八の父が長谷川惣兵衛であることもわかりました。惣兵衛から数えると、私は6代目になります。約200年前の先祖の名前がわかっただけでも感激です。
私の曾祖父長谷川金次郎(明治16年12月1日生まれ)は、岐阜県の海津郡今尾町から名古屋にやってきました。父の話によると1891(明治24)年に起こった濃尾地震の後、やむを得ず名古屋に出てきたそうです。
金次郎は明治時代に名古屋でクリーニング店を営み、かなり成功を治めていたようです。長谷川家の礎を作った人と言えるでしょう。
ちなみに金次郎は3回結婚していました。2人の配偶者がいずれも病気で夭折したからです。また戸籍に同じ人と結婚・離婚し、もう一度結婚した人がいたことには驚きました。
―個性豊かな先祖の面影がしのばれますね
今回作成した家系図によって100人以上の先祖を知ることができました。私の場合は6代でしたが、20代さかのぼれば104万8576人の先祖がいる計算になるそうです。
もしそのうちの一人でも子を成す前に亡くなっていれば、自分は存在しません。家系図を眺めながら、先祖のありがたさをつくづく実感しました。
家系図作成のポイントは明治5年の戸籍編製の資料があるかどうか。200年ほど前の長谷川家当主が判明したのも、この資料が残っていたからです。古い資料は失われていく一方ですので、早めの依頼がおすすめです。
■知恵を絞った行政書士ビジネスに注目
―家系図の作成はどこに依頼すればいいのでしょうか
インターネットで検索すると多くのサイトが見つかりますが、それらのほとんどを行政書士が手がけています。私が今回作成した家系図も同様です。
ちなみに行政書士とは「行政書士法に基づき、官公署(省庁、都道府県、市町村、警察署、保健所その他の行政機関等)に提出する書類及び権利義務・事実証明に関する書類の作成の代理等を業とする国家資格者」です。
彼らが扱える書類は数千種類以上。そのためビジネスが絞りきれず「食えない」行政書士が多いことも事実です。さらに競争も激しいので彼らはいろいろと知恵を絞っています。
―独自のビジネスモデルを作ることが大事ですね
行政書士は自分の得意分野を絞り込んでナンバーワンを目指す「ランチェスター戦略」を実践しやすい職業です。家系図作成サービスはとてもいいところに目を付けたと思います。
他にも「外国人の出入国申請」「相続税がかからない層をターゲットにした相続手続」などに特化して成功している人もいます。
相続はお金持ちだけの話ではありません。たとえ税金がかからなくても相続は発生します。しかもそういうケースのほうが圧倒的に多いのですから、値段を抑えれば仕事はたくさん来るはず。こちらも非常にすぐれたアイデアだと思います。
―あえて行政書士のトップクラスを挙げるとしたら、誰だと思いますか
『プロ法律家のビジネス成功術』(PHP研究所)の著者、金森重樹さんだと思います。金森さんは規制が厳しい「許認可ビジネス」で成功し、課税所得2億円となった異色の行政書士として知られています。
本書は行政書士以外にも参考になる戦略・思考術・営業法が満載です。ちなみに金森さんは東大法学部出身。前回お話しした基礎学力は十分お持ちのようです(笑)
みなさんもぜひ家系図の作成を検討してみてください。そして元気な行政書士さんからビジネスのヒントを学ぶこともおすすめします。(了)