ライフドクター長谷川嘉哉の転ばぬ先の知恵(旧:介護事業の知的創造コンサルティング)

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インタビュアー/ポッドキャストプロデューサー:早川洋平(キクタス) 制作協力/和金HAJIME

第115回「本の紹介:安藤俊介著『怒りのマネジメント術 できる人ほどイライラしない』」

2013年2月26日 22:30

怒りを自分自身でコントロール出来る方法を学ぶことができる本です。


■本当はすごい「怒らない人」
―今回はどんな本を紹介していただけるのでしょうか?

安藤俊介さんの『怒りのマネジメント術 できる人ほどイライラしない』(朝日新聞出版)です。経営者に限らず、社会で生きていくなかでは誰しも怒りたくなるときがありますよね。そこで本書は自分で怒りをコントロールする方法を紹介しています。

安藤さんは「喜怒哀楽のうち怒りはもっとも害があり、他人を巻き込む攻撃性がある」と言っています。さらに「怒り」は自分の健康にも悪影響を及ぼすため、実はとても怖いものなのです。

―「怒りのマネジメント」では、怒ることを禁じているのですか?

いいえ。無理に我慢するのではなく、怒りを「適切に配分する」のです。怒らなくていいことは怒らない。たとえ怒るとしても、表現方法や場所を選ぶことです。

安藤さんによると、まず「怒ることは損だ」と認識を変えることが大切だそうです。ところが世の中には「怒ると得をする」と考えている人も少なくありません。レストランなどでそういう場面を見かけたことはありませんか? 一緒にいる人の気持ちや自分の健康への影響などを考慮すれば、怒ることは決して得ではないとわかるはずです。

それに「怒らない人=根性なし」ではありません。「怒る感情を持っても、自分の意志で外に出さない選択をした」人です。本当にできる人とは「怒る人」でもなく「怒れない人」でもない。自分の意志で「怒らない人」なのです。

―怒りをコントロールできれば、人間関係がうまくいきそうですね

反対に怒れば怒るほど、人間関係はダメになってしまいます。社会や組織において、すぐ怒る人は「お荷物」。まして人の上に立つ者にとっては「怒り」が致命傷になることもあります。

また人は「怒らない人」には怒れません。いつも穏やかに対応し、聞く耳を持っているという姿勢を示すとたいてい相手は態度を軟化させます。その結果「怒らない人」はさらに怒る必要が無くなるというわけです。

■今の怒りのレベルはいくつ?
―そもそも人は、なぜ「怒る」のでしょうか?

安藤さんは、怒りが生まれるまでには以下の段階があると指摘しています。

①あるできごとに遭遇する
②できごとを意味付けする
③怒る

つまり私たちは「できごと」に独自の意味付けをすることで「自分を怒らせている」のです。しかし頭でわかっていてもコントロールは難しい。そこで安藤さんは自分の怒りを0~10段階に分けることを提案しています。私もカッとしたときは「今の怒りはいくつぐらいかな?」と考えることが習慣になりました。

―実践してみていかがでしたか?

慣れないうちは何度も修正しましたが、そのうちに自分の怒りの大半は1~3の範囲だとわかってきました。

ちなみに最大のレベル10は相手を殺してしまう、もしくは殴り飛ばすほどの怒りです。しかし実際はレベル5や6にすらなりません。カチンと来ても、すぐ「大したことはない」と思えるのです。数字で考えると冷静になるという人間の習性をうまく利用しているのではないでしょうか。

―意識的に「大したことはない」と口にすることも大事だとか

いわば言葉を用いた「怒りの消火活動」です。「大したことはない」の他には「明日になれば忘れているだろう」「今はやめておこう」などがあります。

それでも気持ちが収まらないときは、何かを観察する、数を数えるなどして怒りのパワーの矛先を変えましょう。その場から離れることも効果的です。

さらに本書には「怒りの体質改善」ともいうべき方法が紹介されています。それは自分がどういうときに怒るのかを記録すること。そうすることで自分の怒りを生み出す考え方を客観視し、修正するのです。

安藤さんによると、人は怒るときに「......べき」という言葉をたびたび使うそうです。ものごとや人にレッテルを貼ったり、「いつも」「絶対」「必ず」という言葉を使ったりする傾向もあります。

ならばそんな言葉は使わないと決めてしまいましょう。すると自分の「怒りの体質」や人間性が少しずつ変わってきます。

衝動的な怒りによって自分の評価を落としたり立場を悪くしたりする可能性もあります。日頃からイライラしがちな人はぜひ読んでみてください。(了)