投資先は、大きく分けて債権と株式に分かれます。
実はあなたも投資家です!
―今回はどんなお話をしていただけるのでしょうか?
前回の貸借対照表の知識をもとに、投資について解説したいと思います。なぜなら自社の貸借対照表の意味を知っておくと、投資や金融商品の特性が理解できるようになるからです。
―投資には難しいイメージがあり、つい敬遠してしまうのですが......
投資や金融商品は債券と株式に分かれることをご存じでしょうか? 一見たくさんの種類があるように思えますが、実はこの二つしかないのです。
さて、前回会社は「返済が必要なお金(=負債・他人資本)」と「返済が不要なお金(=自己資本)」を調達するとお話ししました。
さらに会社側からすると「債券=期間を限定し、利息を付けて返済する必要があるお金」「株式=返済が不要なお金」となります。
投資家にとって債券は返済が約束されているものの、それほど大きなリターンはない「ローリスク・ローリターン」の商品です。
一方、株式は投資した会社が成長すれば大きなリターンが見込めますが、業績不振などで倒産した場合はゼロになるリスクがある「ハイリスク・ハイリターン」の商品です。
―債券にはどんな種類があるのですか?
代表的なものは国債や社債です。国債は国が発行し、社債は東京電力やトヨタ自動車、UFJ銀行などの企業が発行しています。ほとんどの場合、年に数パーセントの利率しか付きません。
債券を購入していなければピンと来ない話かもしれませんが、実は私たちが銀行に預けたり保険会社に支払ったりしているお金は国債で運用されています。つまり間接的に国債を購入しているのです。
―株式について説明していただけますか?
株式は証券会社で購入します。本来、株式は自分が見込んだ会社を信じて投資するもの。株価の上下で一喜一憂すべきではないと思います。こちらも私たちは厚生年金や国民年金を通じて間接的に購入しています。
外国債券・株式がおすすめ
―最近よく耳にする投資信託とはどんなものでしょうか?
投資信託は債券と株式を組み合わせたものです。債券と株式の比率によって「ローリスク・ローリターン」から「ハイリスク・ハイリターン」まで様々な商品をつくることができます。
ちなみに債券と株式は日本国債、外国債券、日本株式、外国株式の四つに分類されます。
投資を考えるのなら、銀行預金などを通して既に購入している日本国債よりも海外の債券や株式をおすすめします。また余裕があれば不動産や金・プラチナにも投資するといいでしょう。
―投資について気を付けるべきことがあれば教えてください
経営者にはいろいろな投資話が舞い込んできます。安易にだまされることのないようしっかりと知識を身に着けておきましょう。
例えば「利息を付けて返すので新しいビジネスに投資してくれませんか」という話はローリスク・ローリターンの商品や債券を購入することと同じです。
「私を信じて100万円投資してくれたら、1000万円になるかもしれませんよ」という場合はハイリスク・ハイリターンの商品や株式と同様です。
経営者が金融リテラシーを身に着け、よく内容を見極めたうえで運用すれば企業経営に生かされるはずです。みなさんには投資を毛嫌いすることなく、腰を据えて取り組んでいただきたいと思います。(了)